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うっかり違反をしないために|自動車の登録・車庫証明と行政書士法
行政書士法の条文は分かりづらく、知らないうちに違反してしまうことがあります。このページは、うっかり違反をしないためのページです。自動車の登録や車庫証明に関わる分かりづらい条文を、できるだけ分かりやすく説明します。
インボイス適格請求書発行事業者 登録番号 T4810539745416
1 関係する条文
まず、条文そのものを掲載します。次の項目から、言葉の意味を説明していきます。
行政書士法 第19条第1項
第十九条 行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。ただし、他の法律に別段の定めがある場合及び定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続について、当該手続に関し相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者が電磁的記録を作成する場合は、この限りでない。
行政書士法施行規則 第20条(第1項第1号・第1号の2・第2項)
第二十条 法第十九条第一項ただし書に規定する総務省令で定める手続は、次の各号に定める手続とする。
一 道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第四条に規定する自動車であつて、同条に規定する登録を受けたことがなく、かつ、同法第七十五条第一項の規定によりその型式について指定を受けたものについて、次に掲げる申請を同時に行う場合における当該申請(自動車の保管場所の確保等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十五号)附則第二項の規定により同法第四条の規定が適用されない場合にあつては、ロに掲げる申請)の手続(イに掲げる申請の手続にあつては、当該手続のうち自動車の保管場所の確保等に関する法律施行規則(平成三年国家公安委員会規則第一号)第二条第二項の規定による同規則第一条第一項の申請書に記載すべき事項の入力に係る部分に限る。)
イ 自動車の保管場所の確保等に関する法律第四条第一項ただし書に規定する申請
ロ 情報通信技術を活用した行政の推進等に関する法律(平成十四年法律第百五十一号)第六条第一項の規定により同項に規定する電子情報処理組織(以下この項において単に「電子情報処理組織」という。)を使用して行う道路運送車両法第七条第一項に規定する新規登録及び同法第五十九条第一項に規定する新規検査の申請
一の二 道路運送車両法第五十九条第一項に規定する検査対象軽自動車(以下この項及び次項において単に「検査対象軽自動車」という。)であつて、同法第六十条第一項の規定による車両番号の指定を受けたことがなく、かつ、同法第七十五条第一項の規定によりその型式について指定を受けたものについて、電子情報処理組織を使用して行う同法第五十九条第一項に規定する新規検査の申請の手続
(第二号は、継続検査(車検)に関する規定のため省略しています。)
2 法第十九条第一項ただし書に規定する総務省令で定める者は、次の各号に掲げる手続の区分に応じ、当該各号に定める者とする。
一 前項第一号の手続 一般社団法人日本自動車販売協会連合会
一の二 前項第一号の二の手続 一般社団法人日本自動車販売協会連合会及び一般社団法人全国軽自動車協会連合会
2 第19条第1項の読み方
第19条第1項は、前半(原則)と後半のただし書(例外)に分かれています。
前半:原則
「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」
「手数料」「サービス料」「コンサルタント料」など、名前を変えても、お金を受け取れば報酬です。この言葉は、2026年1月1日施行の改正で加わりました。
「業として」
繰り返し、仕事として行うことです。
「第一条の三に規定する業務」
官公署に提出する書類などを作る、行政書士の仕事です。登録や車庫証明の申請書も、役所に出す書類です。
後半:ただし書(例外)
「他の法律に別段の定めがある場合」
ほかの法律で、行政書士でなくても行えると決められている場合です。
「定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続」
決まった形で、簡単に行える手続きのうち、総務省令(国の省令)で決めたものです。自動車では、これが次の施行規則第20条です。
「相当の経験又は能力を有する者として総務省令で定める者」
その手続きに慣れている者として、総務省令で決めた者です。第20条第2項が定めています。
「電磁的記録を作成する場合」
紙ではなく、電子データ(オンラインの入力)を作る場合という意味です。紙の書類を作る場合は、この例外に入りません。
まとめ
行政書士でない人は、人から頼まれて、お金(名目は問いません)をもらって、役所に出す書類を作る仕事を、繰り返し行ってはいけません。ただし、国が「決まった形で、簡単にできる手続き」として定めたものを、決められた者がオンライン(電子データ)で行う場合だけは、例外です。
3 第20条第1項第1号の読み方(普通自動車の新車)
「道路運送車両法第四条に規定する自動車」
登録が必要な、普通自動車・大型自動車・小型自動車などのことです。軽自動車や原付は、この仕組みの対象外です(軽自動車は第1号の2で出てきます)。
「同条に規定する登録を受けたことがなく」
まだ一度も登録されたことがない車、つまり新車です。中古車は、ここに入りません。
「同法第七十五条第一項の規定によりその型式について指定を受けたもの」
メーカーが国から、「このタイプの車は、安全や環境の基準に適合している」と認められている車のことです(型式指定)。型式指定を受けた新車は、1台ずつ運輸支局に持ち込まなくても、書類や電子データで確認できます。
「次に掲げる申請を同時に行う場合」
イとロを、まとめて同時に行う場合だけが対象です。車庫証明だけ、登録だけを単独で行うことは、含まれていません。
「附則第二項の規定により同法第四条の規定が適用されない場合にあつては、ロに掲げる申請」
車庫証明の制度が適用されない地域では、車庫証明の申請(イ)がありません。その場合は、ロだけが対象になる、という意味です。
イ「保管場所の確保等に関する法律第四条第一項ただし書に規定する申請」
車庫証明(保管場所証明書)の申請です。
カッコ書き「申請書に記載すべき事項の入力に係る部分に限る」
イのうち、対象になるのは申請書の項目を入力する部分だけです。配置図や所在図などの図面を作ることは、含まれていません。
ロ「電子情報処理組織を使用して行う」
インターネットのオンラインシステム(ワンストップサービス)を使って申請する、という意味です。紙の書類を窓口に出す方法は含まれません。
ロ「新規登録及び新規検査の申請」
新車を初めて登録し、検査を受けるための申請です。
まとめ
例外になるのは、まだ一度も登録されていない、型式指定を受けた普通自動車の新車について、車庫証明の申請書の入力と新規登録・新規検査の申請を、オンラインで同時に行う場合だけです。車庫証明で対象になるのは入力だけで、図面を作ることは含まれません。中古車は対象外です。
4 第20条第1項第1号の2の読み方(軽自動車の新車)
「検査対象軽自動車」
車検を受ける必要がある、ふつうの軽自動車(黄色ナンバーの乗用車やトラックなど)のことです。
「車両番号の指定を受けたことがなく」
まだナンバーが交付されたことのない、軽自動車の新車です。軽自動車には「登録」の制度がなく、「車両番号の指定」と「検査」で動いているため、このような書き方になっています。
「型式について指定を受けたもの」
第1号と同じく、メーカーが型式指定を受けた車です。
「電子情報処理組織を使用して行う新規検査の申請」
軽自動車のオンラインシステムで、新車の最初の検査を申請することです。
軽自動車には車庫証明(申請)がなく、保管場所は届出になります。そのため、普通自動車の第1号と違い、この号には保管場所についての記載がありません。軽自動車の新車では、オンラインでの新規検査の申請だけが対象です。
まとめ
例外になるのは、まだナンバーがない、型式指定を受けた軽自動車の新車の新規検査の申請を、オンラインで行う場合だけです。軽自動車の保管場所の届出は、ここには含まれません。
5 第20条第2項の読み方(だれが行えるか)
第19条第1項のただし書にある「総務省令で定める者」を決めているのが、第2項です。
| 手続き | 行える者 |
|---|---|
| 第1号の手続(普通自動車の新車) | 一般社団法人日本自動車販売協会連合会(自販連) |
| 第1号の2の手続(軽自動車の新車) | 自販連、一般社団法人全国軽自動車協会連合会(全軽自協) |
条文に名前があるのは、この団体です。
まとめ
例外の手続きを行える者として、条文に名前があるのは、普通自動車の新車は自販連、軽自動車の新車は自販連と全軽自協です。
6 できる範囲のまとめ
行政書士でない人が、他人から頼まれて報酬を得ながら行えるのは、新車を、オンラインで登録・検査するための申請だけです。具体的には、次の2つです。
- 普通自動車の新車:型式指定を受けた、まだ登録されていない車の新規登録・新規検査の申請と、同時に行う車庫証明の申請書の入力
- 軽自動車の新車:型式指定を受けた、まだナンバーのない車の新規検査の申請
これを行える者は、条文で名前が挙げられた団体(自販連、全軽自協)に限られます。
それ以外は、例外に含まれていません。たとえば、車庫証明の配置図や所在図の作成、車庫証明だけの単独の代行、紙の書類での申請、中古車の新規登録、名義変更、住所変更、相続の登録などです。
例外に含まれない手続きを、他人から頼まれて報酬を得て行うと、行政書士法に違反するおそれがあります。これらの手続きは、行政書士が行います。
7 範囲外の手続きを有償で代行すると
国土交通省のホームページに掲載されている「行政書士法違反となる事例等」には、自動車販売会社の代行について、次の考え方が示されています。
- 登録申請は所有者が、車庫証明申請は保有者が、自分で行うものです。販売会社が申請書を作ることは、「正当業務の遂行上、真に必要な範囲で付随して行う場合」にはあたらないとされています。
- 「登録代行手数料」の中に、書類集めや提出の人件費が入っていると、書類作成の報酬を含むとされます。
- 書類作成が作業のごく一部でも、代行全体の対価を受け取ると、報酬にあたります。
- 印紙代や用紙代など、実際にかかった費用だけを受け取る場合は、報酬にあたりません。
- お客様が申請書を自分で作り、販売店は書類集めと提出だけをする場合で、作成の対価を含まないときは、報酬にあたりません。
なお、販売店が自社の名義で登録する場合は、他人の依頼ではないため、第19条の対象にならないと考えられます。
8 当事務所でお手伝いできること
登録や車庫証明で分からないことがあれば、お気軽にご相談ください。島田市の行政書士として、次のようなお手伝いをしています。
- 中古車の新規登録、名義変更、住所変更などの申請書の作成と、運輸支局での手続き
- 車庫証明の取得
- 出張封印
※このページは、条文を平易に説明したものです。個別の事案については、行政書士や所管官庁にご確認ください。
【出典】
- 行政書士法 第19条、行政書士法施行規則 第20条
- 国土交通省ホームページ掲載「行政書士法違反となる事例等」
- 日本行政書士会連合会「自動車登録等の手続における行政書士法違反になるものと考えられる例について」







