建設キャリアアップシステムとは
建設キャリアップシステム(CCUS)とは、一般財団法人建設業振興基金が運営主体となり、2019年4月より本格運用が開始されました。
建設業に関わる技能者の資格・社会保険加入状況・現場の就業履歴などを登録・蓄積し、技能者の適正な評価や建設事業者の業務負担軽減に役立てるための仕組みのことで、国土交通省が推進しています。
2020年1月には外国人技能実習生のCCUS登録を義務化することを告示しました。
目的
1.技能者のキャリアを「見える化」
いつ、どの現場に、どの職種で、どの立場(職長など)で働いたのか、日々の就業実績を建設キャリアアップシステムに記録・蓄積することができます。その他、保有資格や講習の受講履歴などの技能の研鑽も記録されることにより。技能者が受けるべき適正な処遇を受けられることを目的としています。
2.将来の技能者の確保
若年層に、建設業が将来にわたり「魅力的な職業」であると認識してもらえるよう、個々の技能者のスキルアップが確実に処遇の向上につながる環境を整備。
国土交通省の資料によると、建設業就業者は1997年(平成9年)に685万人であったのに対し、2020年(令和2年)は492万人で、約193万人も減っています。また、2020年における建設業就業者は、55歳以上が約36%、29歳以下が約12%という割合です。
参考文献:国土交通省:最近の建設業を巡る状況について
3.事業者の業務負担軽減
現場で技能者の資格保有状況や社会保険加入状況を簡単に確認できるなど、現場管理の効率化が見込まれます。
また、CCUSに蓄積された就労実績を、建退共の電子申請に利用することができます。就業実績を手入力してデータ作成する手間も省け、業務のさらなる効率化ができるようになりました。
経審の審査項目に建設キャリアアップシステムの登録が加わります!
建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置の実施状況
建設工事の担い手の育成・確保に向け、技能労働者等の適正な評価をするためには、 就業履歴の蓄積のために必要な環境を整備することが必要であるため、CCUSの活用状況が加点の対象となります。
審査基準日が令和5年8月14日以降審査対象になります。
審査対象工事
以下の①~③を除く審査基準日以前1年以内に発注者から直接請け負った建設工事
① 日本国内以外の工事
② 建設業法施行令で定める軽微な工事
・工事一件の請負代金の額が500万円(建築一式工事の場合は1,500万円に満たない工事)
・建築一式工事のうち面積が150m²に満たない木造住宅を建設する工事
③ 災害応急工事
・防災協定に基づく契約又は発注者の指示により実施された工事
該当措置※①~③のすべてを実施している場合に加点されます。
① CCUS上での現場・契約情報の登録
② 建設工事に従事する者が直接入力によらない方法※でCCUS上に就業履歴を蓄積できる体制の整備
③ 経営事項審査申請時に様式第6号に掲げる誓約書の提出
加点要件
審査対象工事のうち、民間工事を含む全ての建設工事で該当措置を実施した場合:15点
審査対象工事のうち、全ての公共工事で該当措置を実施した場合:10点
審査項目追加後は、その他評点Wの算出時の係数が(1900/200)から(1750/200)に変更されるため、「建設工事に従事する者の就業履歴を蓄積するために必要な措置(W1-⑩)」の実施状況の加点がないと、その他評点W・総合評点Pで評点ダウンします。
おわりに
建設キャリアップシステムは、一見、申請や導入の仕組みが難しそうに見えますが、技能者・建設事業者双方にメリットのある制度です。
導入を考えているが、「事業が忙しく時間が取れない」「手続きが面倒だ」など、お困りの際は行政書士にご相談下さい。
料金システム |
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建設業許可(新規申請) 110,000円~ |
建設業許可(更新申請) 55,000円 |
決算変更届(事業年度終了届) 33,000円 |
経営業況分析+経営事項審査 77,000円 |
各種変更届(専任技術者など) 22,000円~ |
電気工事業者登録申請 33,000円~ |
解体工事業登録申請 44,000円 |