経営状況分析(負債回転期間『X2』対策)

負債を動かす・回転させる

経営状況分析の評点

経営状況分析の評点は、次の8つの指標により数値を算出します。
※スマートフォンの方、見づらい場合があります。申し訳ありません。

※iPhone・スマートフォンを横画面にすると見やすくなるかもしれません。

経営状況分析 8指標計算式
負債
抵抗力
X1純支払利息比率(支払利息-受取利息配当金)/売上金×100-0.35.1
X2負債回転期間(流動負債+固定負債)/(売上金÷12)0.918.0
収益性
効率性
X3総資本売上総利益率売上総利益/総資本(2期平均)×10063.66.5
X4売上高経常利益率経常利益/売上高×1005.1-8.5
財務
健全性
X5自己資本対固定資産比率自己資本/固定資産×100350.0-76.5
X6自己資本比率自己資本/総資本×10068.5-68.6
絶対的
力量
X7営業キャッシュフロー(絶対額)営業キャッシュフロー/1億(2期平均)15.0-10.0
X8利益剰余金(絶対額)利益剰余金/1億100.0-3.0
出典:ワイズ公共データシステム(株)

上記指標を元に算出された数値を、下記の計算式に当てはめます。

経営状況の評点Y = 167.3×A(経営状況点数) + 583
経営状況点数A = -0.4650・X1 - 0.0508・X2 + 0.0264・X3 + 0.0277・X4
+ 0.0011・X5 + 0.0089・X6 + 0.0818・X7 + 0.0172・X8
+ 0.1906
出典:ワイズ公共データシステム(株)

上表の8つの指標で何が評価されているのかはとても重要ですが、下表の計算式については覚える必要はありません。

今回は、負債回転期間について解説していきます。

負債回転期間とは?

この指標は負債が大きすぎて経営活動を圧迫していないかどうかを見る指標です。

経審では負債抵抗力指標として、「X1」と「X2」の2つがあり、そのうち1つが負債回転期間です。

負債回転期間は下記の計算式により算出されます。

負債回転期間=(流動負債+固定負債)÷(総売上高÷12)

この計算式を見ると、流動負債と固定負債の合計(負債合計)を1ヶ月あたりの平均売上高(総売上高÷12)で割り算しています。
つまり、負債合計が何ヶ月分の売上に相当するのかを表した指標です。

負債が1ヶ月分の売上に相当するのと、12ヶ月分の売上に相当するのとでは当然、1か月分のほうが早く返済できるわけなので、数値が小さいほど評点が高くなります。

一番良い数値は0.9ヶ月分、一番悪い数値は18ヶ月分です。

負債回転期間の数値をよくするには?

数値を良くするには、分子(負債合計)を小さくし、分母(総売上高)を大きくすることです。

1.借入金を減らす
当たり前過ぎて書く必要もないのですが、借入金を返済すれば分子は小さくなります。

2.一旦返済して決算日の翌日以降にまた借りる

経営状況分析の評点は審査基準日(決算日)時点での財務諸表により、採点されます。

つまり、一時的だったとしても決算日に負債が減っていればいいんです。

金融機関への返済のほか、社長が会社にお金を貸している「役員借入金」などの返済が考えられます。

※ただし、帳簿上の操作のみはだめです!きちんと銀行振込などしてお金の動きを証明できるようにしてください。

今回は経営状況分析の負債回転期間について解説してきました。
負債を減らすには借入金を返済すればいい!などと当たり前の事を書いてしまい申し訳有りません。

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